MLBの超高額契約は「十分に採算取れる」エンゼルス元職員が解説「選手を広告塔に使う」佐々木朗希は「10年契約でも」デーブ大久保氏も驚く
昨年まで巨人の打撃コーチを務めたデーブ大久保氏が9日、自身のYouTubeチャンネルを更新。エンゼルスなどで編成部門の職を歴任してきたタック川本氏をゲストに迎え、MLBのビジネスモデルを解説した。
ポスティングシステムを使ってMLB移籍を目指す佐々木朗希投手について話題が及んだ際、川本氏は「年齢的にも若い。才能もある。ボールも速いし、体も大きい」と能力を絶賛。その上で「外国人選手を取る際、例えば日本で1億円の選手を3億円ですとかね。普通の金額や年俸では地元のファンは誰も驚かない。関心をもたないんですよ」と事情を明かした。
「日本でこれくらいの選手だった。ボールはこんだけ速いボールを投げられる。メジャーでは投げていないけど、これを広告に使うんです。すごい投手が入ってきた、でも給料が安かったらガッカリしますよね」と川本氏。佐々木は25歳ルールに抵触するためマイナー契約からのスタートとなり、高額年俸は見込めない中、「例えば5年、7年、場合によっては10年契約でもいい。そこで地元のファンが『そんな選手が来たのか!?』となる」とファン心理を解説した。
球団はその関心をビジネスにつなげるといい、エンゼルスでは1室最高1億円でスイートルームの権利を販売していた。「エンゼルスの例で言うと、72のスイートルームがありますから。選手を広告塔に使って売っちゃう。そこだけでも十分に採算は取れるんですね」と説明。デーブ大久保氏が「ファンがこんな選手来たから1億円出して買っちゃうよ!ってことですか?」と問うと「そうです」とうなずいた。
昨オフには今永が4年5300万ドルの契約をカブスと結んだ。一昨年のオフには吉田正尚が5年総額9000万ドルでレッドソックス入りした。ドジャースの大谷翔平選手が昨年、10年7億ドルの超大型契約で話題を呼んだが、今オフはソトがメッツと15年7億6500万ドルと破格の契約を結んだ。
選手との契約を広告として考え、ファンや企業の関心を集めて営業を仕掛けていく。実際にドジャースでは大谷効果で日本企業との広告が次々とまとまった。その波及効果を考えても、米メディアでは「大谷との契約はお得だった」という指摘もある。
他にも具体的なビジネスモデルの解説や、選手の移籍に関して「密約はありますよ」と明かしていた川本氏。他にもMLBの現場で経験した秘話が惜しみなく明かされていた。