１８日から始まる米大リーグの開幕２連戦「ＭＬＢ東京シリーズ」（東京ドーム）を前に１７日、ドジャースの選手らが同球場で公式練習を行った。この日、大谷翔平投手（３０）は姿を見せなかったが、前夜には日本人選手が主催して都内のホテルで全選手を集めた食事会を開催。ロバーツ監督も「結束を高めるために素晴らしい時間になったようだ」と感謝した。体調不良を訴えたベッツの離脱が決まった中、一丸ムードを高めて世界一連覇に挑む。

　主役不在のドーム球場は静寂に包まれていた。６年ぶりに日本で開催される大リーグの開幕シリーズ。ドジャース→カブスの順で前日の公式練習が行われた中、大谷が公の場に姿を見せることはなかった。世紀の一戦を翌日に控え、嵐の前の静けさだろうか。ロバーツ監督は熱っぽく語った。

　「ショウヘイのように国全体を背負うということが、どんなものか実感した。彼のように国全体を代表するような人はいないね。その姿を見ることができるのは、私たち全員にとって非常にエキサイティングな経験だ」

　大谷の凱旋に日本列島の興奮は冷めない。街中に大谷の姿を映した広告があふれ、テレビでも話題を独占する。そんな熱気をチームメートが次々とＳＮＳなどに投稿。世界へ発信されている。昨年のワールドチャンピオンに輝いたチームの中心選手。日本開幕が持つ意味や、価値は計り知れない。

　１６日の夜には大谷を中心に山本、佐々木の３人が主催した食事会があった。「日本一予約が取れない」名店の焼き鳥やマグロ解体ショーは大盛況。ウニの寿司を勧められたフリーマンがキケら仲間の選手から「頑張れ！」「レッツゴー！」と応援されパクリ。会場からは「Ｏｈ！」と拍手と笑い声が起きた。

　一夜明け、練習に参加したフリーマンは「ウニは最高だった。とにかくいい夜だったよ」と、興奮冷めやらない様子で明かした。出場登録された選手３１人に、志願来日したカーショーを含めた３２人が団結を強めた夜。ロバーツ監督は「選手たちは『今まで経験した食事会の中でもベストだった』と言っていた。結束を高める素晴らしい時間だ」と、おもてなしに感謝の言葉が尽きなかった。

　来日前から体調不良を訴えていたベッツの開幕シリーズ欠場が決定した。大谷、フリーマンを含めたＭＶＰトリオの一角。衝撃の離脱になったが、ベッツも食事会には参加。大谷を中心に日本で団結したチームは一丸で戦う準備はできている。

　１５日の巨人戦では戸郷から右翼席に特大の本塁打を放った。負担軽減を目的に、投手復帰のプログラムを一時中断しているが、同戦前の練習では強めのキャッチボールも行った。ドジャース移籍１年目の昨季は史上初の「５０本塁打－５０盗塁」を達成。悲願の世界一連覇を狙う今季は二刀流再開イヤーにもなる。まずは打者・大谷として凱旋“翔タイム”。さらなる伝説は日本から始まる。