楽天・星野監督、退任セレモニー

場内一周でファンに別れを告げる楽天・星野仙一監督=コボスタ宮城(撮影・西岡 正)
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 楽天は7日、コボスタ宮城でのオリックス戦の試合後、星野仙一監督の退任セレモニーを行った。

 「夢、ありがとう」と題したセレモニーは、大学時代からの盟友・田淵幸一氏、山本浩二氏、親交のあるシンガーソングライター・小田和正、お笑いタレントの明石家さんまからのビデオメッセージで幕開け。楽天の監督に就任してからの4年間をビデオで振り返った後、松井稼ら選手から花束を受け取り、退任のあいさつを行った。

 あいさつの言葉は次の通り。

 「すばらしいセレモニー。昨年を思い出します。重苦しい、苦しい、悲しいシーズンでした。でも最後まで見届けてくれまして、感謝します。思い起こせば4年前、大震災から私が就任しました。どうなるのやらと。本当に…何というか悲しいスタートでした。

 でも選手たちとともに、東北の人たちを何とか喜ばせよう、少しでもなごまそう。そういう思いでスタートした1年でした。勝負というのは本当に残酷です。昨年の何度も何度も宙を舞ったあのシーンを思い出します。あのまま本当に時計が止まってほしいと思ったぐらい、うれしい瞬間でした。

 まさに今年と昨年は天国と地獄です。歓喜の後には悪魔が常に寄り添っている。人生ってそんなもんかなあと、そんな思いでこの1年間を過ごしました。最大の責任は私が長期にわたり皆さんの前から消えたことです。痛切に責任を感じております。

 このままでは皆さんを喜ばせられない。そいう思いで、今日限り、ユニホームを脱がせていただきます。本当に4年間、短いようで私にとっては非常に長く感じました。特に1年目は皆さんとともに苦しみ、励まし合い、何とか生き抜こう、そういう思いで東北の皆さんとともに戦ってまいりました。

 皆さんも忘れちゃいけません。あの悲しさ、悔しさ。我々もいつまでも勝負の世界というのは悲しさや喜びや、そういうものが入り交じってきます。

 ただ今年こういう結果になりまして、選手たちがまた皆さんとともに夢を追いかける。目標に向かって前に進む。こういうことができました。中途半端に4位、5位じゃおもしろくない。思い切って最下位からまた皆さんを喜ばせようと。そんな選手になってもらいたい。

 ようやくスタンドの皆さんから激しいヤジが飛び出しました。私はこれが一番うれしい。やはり皆さんが選手を育てる。チームを強くする。その責任は皆さんにもありますよ。大いに悪いことは悪い、いいプレーをしたらほめてやる。そういう思いで選手を見つめてやってください。

 最後に選手諸君、コーチの皆さん、本当にこの4年間ありがとう。裏方さんにも、本当にありがとう。社員のみなさん、こんなすばらしい最後のセレモニーを催してくださいまして、本当にありがとうございました。

 イーグルスの監督になって本当によかった。最高に幸せな野球人生を送らせていただきました。また遠くから皆さんとともに、彼らの目標をしっかりと応援してやりましょう。

 本当に皆さん、ありがとう!

 さようなら!」

 あいさつを終えると、手を振りながら笑顔で場内を一周。ファンに別れを告げた。

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