オリの柱ディクソンは研究熱心な親日家
借金16(22日現在)で最下位と不振のオリックスにあって、驚異の好成績を残しているのが先発ローテーションの柱・ディクソンだ。
4月18日の西武戦から5月28日のDeNA戦まで6連勝。22日時点で、防御率は両リーグトップの1・36、パ・リーグトップタイの8勝を挙げている。
5月はリーグ史上4位の月間防御率0・26などが評価され、日本生命月間MVP賞を初受賞した。オリックスの外国人投手の同賞獲得は1996年9月のフレーザー以来2人目だった。
来日3年目。1年目の13年は8勝8敗、昨年は9勝10敗。今季はキャリアハイを大きく更新することが予想される。
140キロ台後半の直球にスライダー、チェンジアップ、そして決め球のナックルカーブというコンビネーション。ソフトバンク・李大浩は昨季の対戦打率・143、日本ハム・中田も同・100など、多くの強打者がディクソンを苦おり手にしている。
その真骨頂が「長打にならないコースに投げるんだ」という制球力。バットのシンを外させ「確実にゴロを打たせて取る」というモットーの通り、凡打の山を築かせる。
年々進化する30歳の195センチ右腕。日本での成功について「自分の体のことがよく分かってきたことと、日本の打者の知識が増えたこと。体の使い方がよくなり、投げるほどにフォームが安定してきた」と自己分析する。
打者の研究に余念がなく、グラウンド内外での振る舞いも実に紳士的。高山投手コーチも「驚くほど真面目で、こちらの言うことを理解してくれる」と太鼓判を押す。走者を背負っても連打を許さない精神的な強さも兼ね備えている。
2014年に生まれた長女に、日本の古都にちなんだ「ナラ」と名付けた親日家。夏場の巻き返しへ向け、チームに不可欠な存在だ。(オリックス担当・中野裕美子)