大阪ガス、19歳正捕手の岸田がけん引車
「第41回社会人野球日本選手権・2回戦 大阪ガス7-2永和商事ウイング」(5日・京セラドーム大阪)
今夏の都市対抗で準優勝の大阪ガスが、永和商事ウイングを逆転で下して8強に進出した。
好調な投手陣を見事にけん引しているのが社会人1年目の岸田行倫捕手(19)だ。報徳学園時代に内野手としてプロから注目されていたが、高校3年時にチーム事情から捕手転向。大阪ガス入社後も捕手として経験を積み、この秋から正捕手の座を奪った。
まだ捕手経験が2年足らずとは思えないほど落ち着き払っており、スローイングスピードも2秒を切る。そして何よりも光るのはリズムの良さ。「投手のテンポが悪いと失策も出るし、攻撃にも響いてしまう。それは高校時代に監督からも良く言われていたことなので」と明かす。
捕球してから投手に返すタイミング、サインを出すテンポ、常にカウントを有利な状況に持って行くリード。「走者を背負うまではある程度ゾーンで勝負してサインも素早く出して。走者が出てからしっかり考えればいいかなと思っています」。竹村監督も「年をごまかしてんじゃないですかね。それほど落ち着いている。高卒なのでいいテンポ、いいリズムを持って入れている」と目を細める。
打ってもセンスの良さが際立っており、三回には貴重な追加点となる右前適時打。五回は無死二塁から三塁線へ鮮やかなセフティーバントを決め、攻撃面でもリズムを生み出した。社会人野球でも屈指の投手力を誇る大阪ガスで司令塔を務める“1年生捕手”。プロ野球界でも捕手の需要度は年々、増してきており、2年後にはドラフト上位戦線で名前が挙がってくる選手になる可能性を秘めている。