侍ジャパン、韓国に屈辱の逆転負け
「プレミア12・準決勝、日本3-4韓国」(19日、東京ドーム)
近づいたに見えた初代王者の座が、あっという間に手からこぼれ落ちた。日本は韓国に逆転負けし、21日に東京ドームで行われる3位決定戦に回った。
先発の大谷翔平投手(日本ハム)が、7回無失点11奪三振の快投を見せた。だが八回から登板した2番手の則本昂大投手(楽天)は九回に1点を失い、さらに無死満塁として降板。三番手の松井裕樹投手(楽天)が押し出し四球を与え、4番手の増井浩俊投手(日本ハム)が李大浩(ソフトバンク)に逆転2点適時打を浴びた。
これが日韓戦の怖さか…。先発の大谷は六回まで無安打無得点投球で、七回を投げ1安打に抑え無失点。最速160キロの直球を軸に、5者連続を含む11三振を奪うなど、ライバルを完全に力でねじ伏せた。
プロ所属選手が参加する国際大会では、08年北京五輪の予選リーグ・中国戦(七回コールド)での涌井(西武=現ロッテ)以来となる完封勝利も期待された展開。球数も85球と余裕があるようにも見えたが、小久保監督は八回から則本を起用した。だが結果的に、この選択は裏目に出た。
則本は八回は三者凡退に打ち取ったが、九回に三連打で1点を失い、さらに死球で満塁として降板。続く松井は3ボール1ストライクから押し出し四球で即降板。増井も李に左翼線へ運ばれ、一気に逆転された。小久保監督は「流れを止められなかった、僕の継投ミスですかね」と悔しさを押し殺しながら話した。
攻撃陣も、三回まで韓国先発のイ・デウン(千葉ロッテ)にわずか1安打に抑えられた。四回に平田(中日)の左前適時打で先制。相手の守備の乱れで1点を追加すると、さらに坂本(巨人)が右犠飛を放ち3点目を奪った。だがその後は韓国の継投の前にチャンスは作りながら、得点を奪えなかった。小久保監督は「誰一人、あの3点で勝ったとは思わなかったが、七、八回に追加点を取れなかったのが九回に響いたかなと」と、拙攻も敗因に挙げた。
“ホーム”といえる東京ドームで、屈辱的な逆転負け。これで09年WBC2次ラウンドから続いていた、国際大会での韓国戦の連勝も3でストップ。土壇場での継投の失敗が、侍ジャパンにあまりにも重くのしかかった。