21世紀枠に小豆島、釜石、長田を選出

21世紀枠でのセンバツ出場が決まり歓喜する小豆島高校の1年生部員と女子マネジャー=小豆島高校(撮影・佐藤厚)
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 第88回選抜高校野球大会(3月20日から12日間、甲子園)の出場校選考委員会が29日、大阪市内で開かれ、困難な環境を克服するなどを加味して選ぶ21世紀枠に小豆島(香川)、釜石(岩手)、長田(兵庫)の3校を選出した。

 小豆島は島の過疎化に伴い、2017年春に土庄との統合が決まっている。野球部員は島内出身者のみの17人。それでも昨秋の香川大会で初優勝を果たした。決勝では、後に明治神宮大会で優勝する高松商に勝利した。島の祭りの準備や地域の清掃活動に取り組んだことも評価された。

 釜石は、東日本大震災で被災した生徒が全体の3分の1を超え、そのほとんどが現在も仮設住宅で生活。野球部にも親が亡くなったか行方が分からない部員が3人いる。部員は自主的な練習を心がけ、校内や近隣地域、試合会場周辺の清掃を行うなどしている。

 長田は阪神・淡路大震災の被害が大きかった地域にあり、防災教育に力を入れている。県内屈指の進学校で練習時間も限られ、また同じ敷地に夜間定時制と通信制の2校が併設されており、3校でグラウンドを使うなど、厳しい練習環境を克服した。

 21世紀枠特別選考委員の佐山和夫さん(日本高野連顧問、ノンフィクション作家)は「21世紀枠の理念は、他のスポーツなど社会的に広まってきたと感じる。今年もいい選考ができたと思う」とコメント。同浅井慎平さん(写真家)は「大変熱心な議論の末に、それぞれの個性、歴史を持つ釜石と小豆島、長田が選ばれ、さまざまな21世紀にふさわしい物語が生まれそうで楽しみです」と述べた。

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