JR東日本・田嶋が14K完投勝利
「社会人野球・JABA東京大会」(9日、神宮など)
予選リーグAブロックではJR東日本がジェイプロジェクトに3-2で競り勝った。高卒2年目左腕の田嶋大樹投手(19)=佐野日大=が2失点で完投。10安打を浴びながら要所を締め、14三振を奪った。
キレのある直球は、自己最速にあと1キロに迫る147キロを計測。小雨が降りしきる悪コンディションでも集中力を切らさなかった。2点リードの九回に3連打で1点を失い、なお1死満塁という一打逆転サヨナラのピンチを迎えたが、最後も落ち着いて遊ゴロ併殺に仕留めた。
今季の公式戦初戦で、九回を投げきっての白星。「今年は完投できる体力がついた。去年は五回ぐらいに浮いて打たれることが多かったので。悪いながらも、何度もあったピンチを切り抜けられた」と、充実感がにじむ。冬場はポール間走15本など、苦手な走り込みをこなした成果を披露し「嫌いなりにできたのでよかった」と、笑みをこぼした。
佐野日大では14年のセンバツで4強。プロ志望なら上位指名は確実だったが、社会人入りを選択した。ハイレベルな環境でもまれながら、心身ともに着実にスケールアップを遂げている。堀井哲也監督も「球筋の安定感が違う。キレと速さを落とさないまま、制球力がついてきた。(九回は)エースになるための一つの試練だったが、よく頑張ってくれた。夏に向けていい自信になる」とうなずいた。投手陣の中心としての活躍が期待される2年目。田嶋とチームにとって、1勝以上の価値がある開幕星となった。