「春季高校野球東京大会・２回戦、昭和６－２早実」（６日、八王子市民球場）

　清宮幸太郎外野手（２年）を擁する早実が敗れた。２－２で迎えた八回、昭和が１死満塁の得点機から小谷英志内野手（３年）が右越えに満塁弾を放ち、これが決勝点となった。清宮は４打数２安打１打点だった。

　清宮は「４番・中堅」で先発出場。第１打席は初回、１死一、三塁の好機で二ゴロ。この間に三塁走者が生還して１打点を記録した。

　第２打席は三回、先頭打者でゴロで右前打を放った。その後、１死満塁までチャンスが広がったが８番の服部が併殺に倒れ、無得点に終わった。

　再び先頭で回ってきた五回の第３打席は三塁側に寄っていた遊撃の右を抜いて中前へ運び、一気に二塁まで進む中前二塁打を放った。再び１死満塁までチャンスが広がったが、この回も８番の服部が併殺打に倒れ無得点だった。

　七回の第４打席は、１死走者なしの場面で初球をひっかけて二ゴロに倒れた。

　試合後は悔しさをにじませながらも「去年の秋も２回戦で負けてしまった。自分たちは２回戦負けのチームなので、この壁を乗り越えようと話していました。向こうのピッチャーの方にうまく打ち取られてしまった。力不足だなと思います」と冷静に敗戦を振り返った。

　第３打席には中前への当たりで、相手の守備の動きや位置を見極めて一気に二塁へ進み「中前二塁打」を記録した。相手の遊撃が三塁方向に寄っていたため「あれはショートゴロでしたね」と苦笑いしていたが、「最初（第２打席の１本目の安打）にライト前に打った時にいけそうだなと思った。４番なので深く守っているので、走って来ないと思われている」と状況を分析しての走塁。まるで、昨夏の甲子園で活躍したオコエ瑠偉（現楽天）を思い起こさせるプレーだったが、本人も「やった後はそれっぽいな（と思った）」と言ってはにかんだ。

　ただ総合的に見て課題は多い。遅い球を外角に集められ、第４打席はボール球の初球に手を出して二ゴロと、勝負を分ける終盤にしては淡泊な打撃だった。「緩い球にタイミングが合ってなかったです」と反省した清宮。昨年４強入りした夏の甲子園に再び出場するために、「今日みたいなバッティングでは４番としての姿じゃない。チームを代表するバッターになれるようにしたい」と成長を誓った。