宮本がサヨナラ満塁弾 奈良学園大初の4強
「全日本大学野球選手権・準々決勝、奈良学園大7-3関西国際大」(9日、神宮球場)
奈良学園大が延長タイブレークのサヨナラ満塁弾で、初の4強進出を決めた。劇弾を放ったのは来秋のドラフト候補に名前が挙がる宮本丈内野手(3年・履正社)。「正直、どう負けるんだろうと思っていた」と語るネガティブな男が、2試合連続弾で8強の壁を突破した。
序盤に2点を先行しながらも、八回に同点とされると「相手の勢いもすごくて。(エースの)鈴木さんも投げないから、みんな負けると思ってたんじゃないですかね」と明かす。延長十回表の守備でも、遊撃のポジションで「飛んでこいとはまったく思わなかったですね」。ただ一ゴロ併殺打によりピンチを切り抜けたことで、「本当にみんなが打たせてくれた。だから昨日の本塁打の方がうれしかったんですけど」と“天然キャラ”で報道陣の笑いを誘う。
8強進出を決めた前日の試合後には、履正社・岡田監督から電話がかかってきたという。「きょうは履正社デーやな!」と恩師が喜びの声をかけたにも関わらず「直立不動で聞いてました。背筋が凍りました」と真剣な表情で明かした宮本。不思議なオーラをかもし出すスラッガーは「準決勝は(中京学院大の)吉川さんをスカウトの方が見に来られると思うので、僕は地味に見てもらえるように。何とか滑り込めるように」と同じ遊撃手の争いに思いをはせた。