体操女子、永井主将悔し涙も奇跡の銅!
「アジア大会・体操」(22日、仁川)
個人種目の予選を兼ねた体操女子団体戦が行われ、日本(永井、佐藤、山本、湯元、石倉、本田)は合計214・350点で3位となり、銅メダルを獲得した。
試合後の泣き顔は、約2時間半後、キュートな笑顔に戻っていた。最年長として主将を任された永井美津穂(日体大)は、3種目目の床運動で1番手として登場。躍動的な演技を見せていたが、最後の跳躍技で着地を踏ん張りきれず、尻もち。最終演技者を務めた得意の跳馬では、チーム最高の14・250点をマークしたが、ラインオーバーによる減点を悔やんだ。
「自信は持っていたけど、心のどこかに不安があったのかもしれない。期待されていたのに、申し訳ない…。力不足だなと思います」。試合後、大きな瞳からはぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。
第2班終了時点で、2位北朝鮮に0・30点差及ばず3位。最終班に地元韓国が控えるだけに、厳しいかと思われた。それでも佐藤はこう話していた。「試合後、みんなで『奇跡起きないかな』って話をしてました」。そして、その願いは通じた。最終班で韓国がミスを連発し、4位止まり。銅メダルが決まった。
10月に世界選手権を控えるため、今大会のメンバーは日本代表のセカンドチームという位置づけが強い。ただ、10年広州大会では、後にロンドン五輪代表となる田中理恵がメダルを獲得し、その後の飛躍につなげた。魅力的な笑顔と、エレガントな演技から活躍を当時の田中を彷彿とさせる永井。来年、大学4年生となるため、16年リオデジャネイロ五輪まで競技を続けるかは分からないという。それでも「まだまだ練習が足りない。これをバネにして、今後に繋げていきたい。まず来年、頑張りたいです」と、前を向いた。