競泳・冨田追放で青木団長が謝罪
競泳の冨田尚弥(25)=チームアリーナ=が韓国メディアのカメラを窃盗し、日本選手団を追放された問題で、日本選手団の青木剛団長は27日、中間記者会見で謝罪した。
「非常に残念で、OCA、組織委員会、関係者の皆様に大変迷惑をお掛けして申し訳ない」と話し、20秒間、頭を下げた。
冨田は試合のなかった25日の午前、競泳チームを応援した後、ウォーミングアッププールで調整。その後、試合用プールに移動し、練習中のチームメートを待つため、フォトゾーンに近い表彰台横に一人で座っていたという。
柳谷総務担当が警察でビデオを確認した結果、盗んだ瞬間などははっきりと確認はできなかったが、水泳連盟のTシャツ姿の冨田の顔が付近を歩く姿などが映っており、任意同行され、冨田は事実を認めた。
韓国の聯合ニュースによると、冨田は警察の事情聴取で「カメラを見た瞬間、非常に欲しくなった」と供述したという。現地メディアによると、盗まれたカメラは800万ウォン(日本円で約84万円)相当。選手村で見つかったという。冨田は警察署で被害者と対面し、謝罪と握手を交わしたが、被害者は「会社の備品なので、会社が判断すると思う」と、話しているという。
競泳チームは27日に帰国するが、冨田は警察、検察判断が出るまで韓国に留まる。現在は選手村におり、面談した関係者によれば「選手村に帰ってきた時に『すいません』という言葉があった。自分でも驚いているのか、あっけにとられているような様子。ポカンとしている」という。選手団追放に伴い、冨田の今大会の100メートル平泳ぎでの4位の成績は抹消される。また、帰国の際の費用は自費になるという。
青木団長は「人のものを盗むというのは、行動規範以前の問題」と断罪。早朝に緊急の監督会議を開き、行動規範順守を改めて指導した。自身の責任については「今は団長の立場として、選手が競技に集中できるようにしたい。大会後に考えたい」と話した。
競泳チームには、朝のミーティングで事態を報告。「追放されたので、もうチームメートではなく、元チームメート。ただ、この件について質問されたら、元チームメートとして、キチッと対応してもらいたい」と、指導したという。