織田信成氏 羽生に「ただただすごい」
「フィギュアGPシリーズ第3戦・中国杯」(8日、上海)
ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(19)=ANA=が直前の6分間練習での激突、流血アクシデントを乗り越え、男子フリーで魂の演技を見せて、154・60点。合計237・55点で、2位に輝いた。1位は157・38点(合計243・34点)のコフトゥン=(ロシア)=。
羽生はフリー演技直前の6分間練習で閻涵=エン・カン=(中国)と激突。立ち上がったものの、あごと右のこめかみのあたりから流血。リンクに血が滴りおちるほどの流血量だった。
一時はリンクサイド退いたが、頭に太いテープをぐるぐる巻きにし、あごには絆創膏(ばんそうこう)。オーサーコーチの「一番大事なのは身体」という言葉に大粒の涙を流し、涙をぬぐいながら再びリンクに戻った。
本番では冒頭の4回転ジャンプは転倒。その後も4度、計5度転倒したが、4分30秒を滑りきると万感の表情で天を見上げた。
共にソチ五輪を目指した織田信成氏はテレビ朝日の解説者として羽生を見守り、「ただただすごいの一言。4回転回ってましたから。普通の人だと、これだけのケガの後で、回ることすらできないと思います。しかも後半に4回転。連続ジャンプ決めていて。ただただすごいとしか言えないです」と感嘆と称賛の声を上げた。
泣いていたのか、マイクを通して鼻水をすする音も聞こえた。
もう1人の解説者、佐野稔氏も「涙出てます。ぼくもしゃべれません。」と話した。