白鵬 母国語で「約束と恩返しできた」
「大相撲九州場所・千秋楽」(23日、福岡国際センター)
横綱白鵬(29)=宮城野=が横綱鶴竜を寄り切りで下し、14勝1敗。大鵬に並ぶ歴代最多32回目の優勝を飾った。
表彰式前の控室で、白鵬は感無量の表情となり、顔には汗とともに涙がつたった。
再び土俵に登場した白鵬は、国歌斉唱、優勝賜杯の授与後、場内での優勝インタビューを受けた。
「どうも、ありがとうございます!」
-32回目の優勝です。
「言葉にならないです、ハイッ」
優勝後の花道、君が代の時は目が潤んでいた。
「この場を借りて、生中継を視ている両親、モンゴルの方に言葉を発したいと思います」
この後、白鵬は約1分間、母国モンゴルの言葉でメッセージを発した。
-おそらく大鵬さんのことでは。日本語でも。
「そうですね…偉大な記録に並ぶことができて、約束と恩返しができた。そういう言葉です」
-どんなことが浮かびますか。
「天皇賜杯を32回…大記録は、場所前から思っていました。皆さんに知ってもらいたいのは、15年前に(体重)62キロの少年がここまで来られるとはだれも想像できなかったと思います」
(場内から大拍手。白鵬は続けて)
「この国の魂と相撲の神様が認めてくれたお陰で、この結果があると思います」
この日はどんな気持ちだった。
「明治時代の初期。大久保利通という武士と明治天皇が(相撲という)長く続いた伝統文化を守ってくれたそうです。その中で天皇陛下に感謝したいと思います」
-伝統文化をどのように受け継いでいきますか。
「この優勝に恥じないように、今後も一生懸命頑張ります。九州の皆さん、15日間ありがとうございました。また来年会いましょう」