小塚 SP6位から逆転3位

男子フリーで優雅な演技を披露する小塚崇彦=長野・ビッグハット(撮影・開出 牧)
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 「フィギュア全日本選手権、第2日」(27日、長野ビッグハット)

 男子フリーが行われ、SP6位だったバンクーバー五輪代表小塚崇彦(25)=トヨタ自動車=が力強い演技でフリー2位の173・29点をマーク。総得点245・68点で3位に浮上し、来年3月の世界選手権代表の選考対象に浮上した。世界選手権代表は、28日に発表される。

 演技を終えた瞬間、小塚は右拳を3度突き上げた後、強烈な“右フック”を繰り出すど派手なガッツポーズを繰り出した。今季は不振が続いていただけに「まだできる。体が動くというのを確認できた。現役を続行するにしてもしないにしても、今日の結果は自分にとって大切な財産になる」と、笑顔を浮かべた。

 昨年の全日本選手権では表彰台に上がりながら、GPシリーズでの不振が響きソチ五輪代表から落選。引退も頭をよぎったが、現役続行を決めて今季に臨んだ。結果が出ずに悩む日々だったが、この結果で「燃え尽きかけていたものが再着火した」と、確かな手応えを口にした。

 結果を出さなければいけない“理由”もあった。小塚にとって今大会は、苦楽をともにしてきた佐藤信夫コーチの11回を超える、12度目の全日本。そして、佐藤コーチが初めて全日本に出場した時から60年目の記念の大会だった。「全日本の“還暦祝い”をしたかったので、いい演技ができたらと思っていた。本当にいい“還暦祝い”になったと思う。もう1日早ければ良かったなと」と、笑った。

 愛弟子の好演技に佐藤コーチも「本当によくやったと思う」と、柔和な笑顔を浮かべていた。

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