白鵬 次の目標は「後の先」の完成
「大相撲初場所 千秋楽」(25日、両国国技館)
鶴竜との横綱対決を制し、すでに決めていた史上最多33回目の優勝を15戦全勝で飾った横綱白鵬が25日、千秋楽後にNHKの「サンデースポーツ」に出演。今後の目標として「後の先」の完成をぶち上げた。
表彰式のインタビューでは大鵬の優勝回数32回を超えたことで「もう目標なくて引退なのかなといろいろ考えました」と話し、相撲ファンを一瞬心配させた白鵬だが、すでに新しい挑戦を始めていた。
ミュージシャン、マルチタレントで相撲評論家でもあるデーモン閣下に「今後は記録を重ねることよりも、『後の先』の研究をやりたいと話してましたけど、それは本当なんですか」と聞かれ、「そうですね。33回(優勝する)まで攻めに攻めて攻めまくるというスタイルを貫いたんで、今度は『後の先』というものを。平成の時代で白鵬しかやらなかったというものがいい」と、意欲的に説明。さらに、今後は取り口を変えるのかと問われると「すべて受け入れるってことですね」と、うなずいた。
「後の先」とは大横綱・双葉山が極めた理想の立ち合いで、相手より一瞬後に立ちながら、当たり合った後には先手を取って制すると戦法。
デーモン閣下に、14日目の日馬富士戦、この日の鶴竜戦の立ち合いが「後の先」だったことを指摘されると、白鵬は「13日目(稀勢の里戦)もそんな気持ちだったんですよ。中日(安美錦戦)も。中日は4年ぶりの天覧相撲でしたから。危なかったけどね」と笑った。
理想は15日間「後の先」を続けることだという。「15日間通して後の先して優勝できれば、本当に名人であり、達人の域になる」。平成の大横綱は目標を見失うどころか、早くも遠大な目標に向かって歩き出していた。