栃乃若が断髪式「人のつながり学んだ」
昨年12月に気力の衰えを理由に26歳の若さで現役を引退した大相撲の元幕内栃乃若の李大源氏(兵庫県尼崎市出身、春日野部屋)の断髪式が31日、東京・千代田区の如水会館で行われた。
栃煌山、栃ノ心ら部屋の関取衆をはじめ親方衆、同学年でもある幕内常幸龍(木瀬)、地元の後援会関係者など約120人が大銀杏にハサミを入れ、最後は師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が力士の象徴であるマゲを切り落とした。
断髪式の最中は落ち着いた表情だったが、母・崔仙玉さんから“ありがとう”と声をかけられた時は、こらえきれず涙を流した。
07年1月に初土俵を踏み、約8年間の力士時代を振り返り、「入門してからのひとつひとつが大切な思い出だった。相撲界では人のつながりの大事を学びました」と感謝の気持ちを述べた。
師匠の春日野親方は「将来は部屋のため、協会のために頑張ってくれると思っていた。悩みを聞いてあげられなかったことは悔いが残る。今後の指導の糧にしたい」と無念の思い。初場所をテレビで何度か見たという李氏は、「何か変な感じがした。でも、春日野部屋の力士の取組では力が入った」と複雑な心境をのぞかせた。
今後については未定で、「これからは一般人として社会に貢献したい。みなさんにいい報告ができるように頑張ります」と語った。