柔道GP大会欠場の2人は警告処分

 全日本柔道連盟(全柔連)は5日、都内で強化委員会を開き、ドーピング違反の恐れのある市販薬を服用し、ドイツでのグランプリ大会を欠場した78キロ級の緒方亜香里(24)=了徳寺学園職、70キロ級の田知本遥(24)=ALSOK=について、規定で下から2番目となる警告処分とすることを決定した。

 女子代表の南條充寿監督は「大会出場の制限はないが、次はないということ。次やれば資格停止ということになる」と、神妙な面持ちで説明した。また、女子代表の監督、コーチ、所属の監督は注意処分となった。

 増地千代里女子強化部長によれば、緒方は渡欧前に市販薬を服用。「まったく(禁止成分が入っているのを)把握していなかったし、調べてもなかった」という。田知本は薬をもらい服用した。薬のパッケージではなく、ピルケースに入っていたことから「緒方さんなら確認しているだろう」と判断し、使用したという。

 しかし、3日間服用したところで田知本が「違和感」を感じ、そこで初めてチーム関係者に相談。インターネットなどで調べたところ、その薬にはドーピング対象に指定されている禁止薬物メチルエフェドリンが含まれていたことが発覚し、大会前日に棄権した。

 全柔連はかつて計量に失敗した選手に、強化指定解除など厳しい処分を下してきた。ドーピング違反での失格にはならなかったものの、日本代表強化選手としての義務を怠ったロンドン五輪代表の2人には強化指定の除外や出場停止などの厳罰を科す可能性もあったが、強化委員の39人中38人が警告処分を妥当としたという。

 同成分は競技大会でのドーピングでは違反となるが、それ以外での抜き打ち検査などでは違反ではないこと。そして、自己申告でドーピング違反を回避したことなどが考慮された。山下泰裕副会長は「我々の感覚では計量失敗の方が重い。レベルが違う。今回は極めて単純な過失」と説明した。

 再発防止に向け、今後、世界選手権代表の決まった後の4月に行われる合宿で、改めてシニア、ジュニアの代表選手にドーピング講習会を行うという。

 両選手とも4日に発表された全日本選抜体重別選手権(4月・福岡)の組み合わせには入っており、資格停止などの厳罰がなかったことで、今年8月の世界選手権、来年のリオデジャネイロ五輪代表の可能性も残った。ただ、全柔連の幹部は選考への影響については「出てくると思う」と話した。

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