悩める?錦織「闇の中を1人」
男子テニスの錦織圭(25)=日清食品、世界ランク4位=が10日、自身のブログで、ベスト8で敗れたマイアミ・オープンを総括した。自分の調子と結果が必ずしも結びつかない現状への悩みも明かした。
マイアミ・オープンでは初戦から3試合連続でストレート勝ちし良い流れで準々決勝に入った。それだけに、敗退を「ほぼ最高のテニスができていただけにとても残念です」と振り返った。イスナーは身長208センチという長身から時速230キロを超えるサービスを得意とする“ビッグサーバー”と呼ばれるタイプの選手。こうした選手はサービスの調子が良いと、世界トップの選手でも手がつけられないほど波に乗る傾向にある。
この試合で錦織は13本のサービスエースを決められ、1度もブレークチャンスを得られなかった。ラリーに持ち込むと強い錦織にとって、サービス1本でポイントを取られてしまうと、リズムにも乗れない。「初めてのすごい角度からのサーブで終始合わせられませんでした」と強烈なサービスにお手上げだった。
初戦・2回戦のユージニー戦から4回戦のゴフィン戦まで3試合で10ゲームしか落としていなかっただけに、「久しぶりにミスをしない感覚が蘇ってきてただけにあんなギャンブルみたいな選手に当たらなければまだチャンスはあったかもと思ってしまいますがしょうがないです。 次回は絶対対策考えます!」と悔しさが残る大会になってしまったようだ。
調子が良いながらも予想より早く大会を去ることになった。調子が悪いながらも勝ち切ったメンフィス・オープンのような大会もあった。調子よりも勝利が大事だということも十分分かった上で、「クリーンなショットでウイナーを取れたり、欲しいポイントの時に思い切ってプレーできる感覚の良さっていうのは一番に求めてしまいます」という理想も掲げた。
全米オープン準優勝、ATPツアー・ファイナルズ準決勝進出などでトップ選手の仲間入りを果たした次のシーズン。「悩む1年になると想像はしてましたが予想以上です。いろんな悩みや考え事が自然と増えてしまってます。闇の中を1人で歩いているような。やばい」と胸の内を明かした。
ただ、くよくよしてばかりの錦織でない。「んなことはどうでもいいのです」と切り替え、この日にグローバル・パートナーシップ契約締結が発表されたLIXILグループのことを紹介。シャワートイレやお風呂など住宅機器を手掛ける同社から贈られた金色のトイレの模型を手にした写真をアップし、同社のPRをした。
今後は20日開幕のバルセロナ・オープンに出場する予定だ。