羽生 200点超えず「悔しさ半分」
「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(17日、代々木第1体育館)
世界選手権銀メダリストの羽生結弦(20)=ANA=は、SPに続き、フリーでも1位となる192・31点をたたき出した。
冒頭の4回転サルコーを完ぺきに成功。続く4回転トーループは3回転となったが、その後はほとんどミスなく終えた。フリー「オペラ座の怪人」の主人公ファントムになりきり、演技を完遂。この日は大相撲の横綱白鵬がVIP席から観戦していたが、リンクの上で見事に“横綱相撲”を繰り広げた。
演技後は目を閉じ、天に向かって「ありがとう」とつぶやいた。笑顔を浮かべリンクを後にし、仲間の待つキスアンドクライでは、ファントムのマスクをかぶりおどけてみせた。
試合後は「うれしさ半分、悔しさ半分。これがサルコーを失敗して、(4回転)トーループが降りていた(成功していた)ら、悔しい気持ちが大きかったと思うけど、サルコーを決められたのは達成感がある。ただ、あれが3回転トーループになって、実質6点近くあるし、トリプルアクセル-2回転トーループにしないといけなかったことを考えると、GOEを含めて8~9点はある。(フリーで史上初の)200点を超えていたな、と思うと…」と、振り返った。
「ありがとう」の真意を問われた羽生は「今シーズン、皆さんの前で滑れるのも最後なので、ありがとうとつぶやきました」と語った。
中国杯での衝突事故、腹部の手術、右足のねんざを波乱万丈だったシーズンを終え、「シーズンを通して感じたのは、いかに健康に、万全で臨めるか。完ぺきではなくてもいかにベターな状態を作れるかが課題。みなさんが思っている以上に自己管理不足だと思っているので」と、反省。来季に向け「世界選手権という大切な試合を取り逃した。その悔しさが来季につながる」と、王座奪還を誓った。