シンクロ男子・安部 目標はシンデレラ
今夏の世界選手権(ロシア・カザニ)の新種目、シンクロナイズドスイミングの混合デュエットに足立夢実=ゆみ(26)=国士舘シンクロク=と組んで出場する、史上初の男子代表・安部篤史(32)=トゥリトネス水泳部=が、20日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」に出演。「シンデレラボーイ・ストーリーになれたら」と話し、取材したスポーツキャスターの松岡修造(47)を驚かせた。
安部は2月に行われた代表選考会で、5人が出場した男子でトップとなり、男子選手として史上初の代表に決まった。
幼少期から水泳を始め、高校3年の2000年で競泳から遠ざかったものの、03年に映画「ウォーターボーイズ」を見て「水の中でこんなにいろんなことができるんだと衝撃を受けて」水中パフォーマンス集団「トゥリトネス」に入団。水中ショーで活躍してきたものの、競技は初めてとあって、代表合宿では基本的な動きから1日10時間の猛特訓を続けている。
日本代表コーチや6歳年下の足立からも「アツシ、遅い!」などと怒鳴られながらも、ひた向きに取り組む安部は、松岡に「シンデレラボーイ・ストーリーになれたらいいのかな」と話し、松岡を仰天させた。それでも構わず「シンデレラのストーリーって、地道だった少女が大きくなるっていうストーリー。それに近くなりたいなって」と説明。「シンデレラ篤史?」と応じた松岡に「おこがましいですけどね」と、シンデレラにへりくだる生真面目さも見せた。
安部は松岡に「これを一時的なものにしてはいけない。次につなぐ人たちを育てる、そういう道を作りたい」とパイオニアとしての熱い思いを語ったという。ロシアで輝きを放ち、“ストーリー”を完成させる。