大相撲の横綱白鵬（３０）＝宮城野＝が４日放送のＮＨＫテレビ「プロフェッショナル　仕事の流儀」に出演。史上最多を更新する３４回目の優勝を果たした３月の春場所中に同局の取材カメラに向かい、「ポカンと心にあいちゃった」などと心中を明かしていたことが明らかになった。

　この日の「プロフェッショナル－」は「横綱白鵬　前人未到の道へ　葛藤を秘めた１５日間」のサブタイトルで放送された。その中で白鵬は春場所初日の妙義龍戦勝利後に自室の布団の中で、「ポカンと心に穴があいちゃった気分。何のために頑張るのか」とつぶやいた。

　白鵬は２日目に佐田の海を下した後もカメラの前で「昨日（初日）も言ったけど、燃えるものがないよ。強い人っていないんだよ。人生って戦う敵より大変」などと、空虚な胸の内を示していた。

　それでも新関脇照ノ富士の猛追を退け、千秋楽で優勝を決めた後には、カメラに撮影された移動の車中で、フルーツをほおばりながら「これからが横綱として楽しい時。１５日間の場所中はいいことがない」と、笑顔で話していた。

　白鵬は１月・初場所優勝後の審判部批判問題に端を発し、春場所中は支度部屋で報道陣に対して無言の姿勢を貫いたが、優勝後の同局「サンデースポーツ」では、「実は初日、２日目となんか“燃えない”というか、そういう心境でありました」などと語っていた。