日本相撲協会は２７日午前に東京・両国国技館で名古屋場所（７月１２日初日、愛知県体育館）の番付編成会議と臨時理事会を開き、夏場所で初優勝を飾った関脇照ノ富士（本名ガントルガ・ガンエルデネ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋＝の大関昇進を満場一致で正式に決定。ただちに友綱理事（元関脇魁輝）と桐山審判委員（元小結黒瀬川）を使者として東京・江東区の伊勢ケ浜部屋へ派遣した。

　伝達式では友綱理事より「満場一致で大関に推挙されました」と昇進を伝えられると、落ち着いた口調で「謹んでお受けいたします。今後も心技体の充実につとめ、さらに上を目指して精進いたします。本日はまことにありがとうございました」と口上を述べた。

　伝達式を終えると師匠の伊勢ケ浜親方（元横綱旭富士）と並んで記者会見。「今までで一番うれしいです。大関と呼ばれる？まだ慣れないので、ちょっと恥ずかしい」と初々しい笑顔を見せた。注目された口上では、“心技体の充実”と“さらに上を目指して”という文言を盛り込んだ。師匠、おかみさんと一緒に考えたそうで、「ずっと練習していました。緊張したけど、うまく言えてよかった」とホッとした様子だった。

　周囲からは早くも横綱の期待がかかる。「もう上（の番付）はひとつしかない。それを目指して頑張りたい」と２３歳の若き大関はキッパリ。伊勢ケ浜親方も「これからもっと厳しく指導する。覚えることが、まだたくさんあるからね」と最高位へ向けていっそう鍛え上げるつもりだ。「横綱は神様が選ぶもの。選ばれるように努力したい」とさらなる飛躍を誓った照ノ富士。大相撲新世代の旗手として、さらに土俵を盛り上げていく。