錦織 ストレート勝ちで3回戦進出

 「全仏オープン」(27日、パリ)

 日本勢初の四大大会制覇を狙う、男子シングルス第5シードの錦織圭(25)=日清食品=が、2回戦で世界ランキング40位のトマス・ベルッシ(27)=ブラジル=を7-5、6-4、6-4でストレート勝ち。4回戦に進出した13年以来、2年ぶりに進んだ3回戦では、同ランキング48位のベンヤミン・ベッカー(33)=ドイツ=と戦う。

 最後は鮮やかなサービスエースで決めた。錦織が緊張から解き放たれたような笑顔でガッツポーズ。188センチのサウスポー、ベルッシとは、07年にクレーでの下部大会で対戦。フルセットの末に敗れていたが、この日は1回戦に続くストレート勝ちで世界ランキング5位の力を見せつけた。

 試合後はサイン攻めにあった錦織は「タフな試合に勝ててホッとしてます。彼はクレーで調子も良くて強い選手だったので、いつもよりちょっと緊張はありました。長いストローク戦になるのはわかっていたので、なるべく前に出たり、いつもより変化を加えてやるよう意識していた。どっちに転んでもおかしくない1セット目をぎりぎりブレークできて取れたことがリズムにつながったと思います」と話した。

 第1セットはベルッシの角度のあるサーブに手を焼き、自身はダブルフォールト3本と苦しんだ。それでも第6ゲームで見事なロブショットを決めるなどストローク戦で優位に立ち、サービスゲームをキープし合って迎えた第11ゲームをブレークして7-5でものにした。

 いきなり第2セットの第1ゲームをブレークすると、第3ゲームもブレーク。4-0とリードして完全に流れをつかんだようだったが、直前のジュネーブ・オープンを制するなどツアー4勝はすべてクレーの大会という“赤土巧者”ベルッシも第8ゲームをブレークバック。第1サーブが相手の69%に対して50%しか入らなかったが、勝機を逃さず6-4でつかんだ。

 勢いに乗って迎えた第3セットは第3、第7ゲームをブレーク。第8ゲームを奪い返されたものの6-4で押し切った。

 腰を負傷した状態でフランス入りした昨年は1回戦で敗れたが、今年は簡単には帰らない。3回戦の相手を聞かされた錦織は「まずゆっくりして、それから考えます」と、笑顔で息をついた。

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