下半身不随のスノーボーダー岡本
今年2月に事故で腰椎などを骨折、下半身不随となり復帰目指してリハビリに取り組むプロスノーボーダーの岡本圭司(33)が、動かない足に「毎日が地獄だ」と苦悩を漏らした。
岡本は5月末、これまでは吐かなかった弱音を、とうとうブログで字にした。
「足はどうやっても思い通り動かない。歩けと言われても、曲がってる棒に体重かけてるみたいで体を支えられない」「歩ける見通しなんか立たないし、退院してもどういう形で生活できるかも分からない」「自分の好きなスノーボードはもう2度と出来ないかもしれないし、一生車椅子の可能性だってある。むしろその可能性の方が全然高いやろうな」
2月7日、岡本は長野県内でカタログなどの写真撮影をしていた際、崖から転落し、ヘリで病院搬送されて緊急手術を受けた。その後、兵庫県内の病院に転院してリハビリに明け暮れる生活が始まった。
負傷から4カ月、上半身は動くものの、いつまでたっても下半身には自分の思いが伝わらない。
頭の中を駆け巡る苦悩が、つい字になった。
「毎日が地獄だ」
しかし、岡本は「家族も仲間も捨てることはできない」「死ぬことはできない」と確認した上で、つらいリハビリから逃げる道は選ばなかった。
重い言葉を連ねたブログの最後に、岡本はある記述にたどり着いた。「ただ今日を生きるだけ。今は今日を乗り越える事だけを考える。家族を愛し、仲間を愛し、自分を愛して、ただ生きる。病んでも良いから、明日も生きよう」。岡本は自分の上半身の写真を添えた。カメラのレンズを見詰めるその目は、まだ輝きを失ってはいない。
励ましてくれる仲間、そして夫人とまだ幼い2児の存在が岡本を支えている。