競泳の冨田、控訴勧められても応じず
仁川アジア大会で韓国メディアのカメラを盗んだとして韓国・仁川地裁から有罪判決を受けた競泳男子の冨田尚弥(26)が3日、控訴を断念したことについて、代理人の國田武二郎弁護士が読売テレビ・日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜、後1時55分)の電話取材に答え、國田弁護士らが控訴を勧めるのを振り切って冨田が断念を決めたいきさつを明かした。
國田弁護士は「私たちもこの1週間、可能性があるのなら最後まで戦おうと話し合ってきました。1%にかけて、と。しかし本人の韓国に対する絶望感の方が強く、勝たなきゃ意味がないということで、今日の会見のぎりぎりまで本人の意思を確認したのですが、こういう結果になりました」と説明した。
冨田の腕をつかみ、そのバッグにカメラを入れたという第三者の存在については「すべての証拠は韓国側にありますから、韓国の捜査当局に全面的に証拠開示を求めた場合に応じてくれるのは難しいと思います」と立証が困難であることを示唆した。
冨田は昨年9月のアジア大会の競泳会場でカメラを盗んだとして略式起訴され、罰金100万ウォンを納付。しかし、帰国後、一転して無罪を主張。迷彩ズボンをはいたアジア人の男にカメラを無理矢理バッグに入れられたとし、正式裁判を申し立てたが、地裁は「被告人の主張は異例で信じがたい」と、求刑通りの有罪判決を下した。
冨田はこの日、名古屋市内で会見、「有罪判決を受けて悲しく思っています。この(監視カメラの)映像で僕は有罪にされるならこれ以上やっても無意味。控訴せず、有罪のままで終わろうと思いました」と控訴を断念することを表明した。