伊調馨 圧勝も女王の悩み「私を倒して」
「レスリング全日本選抜選手権」(21日、代々木第二体育館)
世界選手権(9月、米ラスベガス)代表選考会を兼ねて男女計7階級が行われ、女子58キロ級では、五輪3連覇中の伊調馨(31)=ALSOK=が3年連続5度目(前身大会も含めると12回目)の優勝を果たし、代表入りを確実にした。
昨年末に右膝を故障し、冬場は満足な練習ができなかった。「悔しかったし、モヤモヤしてた」。それでも復帰戦となった5月のアジア選手権(カタール・ドーハ)で優勝。この日も故障の影響を感じさせず、2試合ともにテクニカルフォールで計2分半と圧勝し、10度目の優勝を目指す世界選手権への切符を手にした。
「これからようやく出稽古に行ける。できれば海外にも行きたい」と、五輪4連覇に向け本格的に再スタートを切った。
試合後は最強女王ゆえの複雑な心境も明かした。今大会は自身を避けるように同階級には3人しかエントリーされず、大学生2人との異例のリーグ戦となった。苦笑を浮かべながら「物足りない。モチベーションが上がらなかった」と吐露。「若手にはかかってきてほしいし、私を倒して世界を目指してほしい」とゲキを飛ばした。