吉田沙保里、若手の“包囲網”破りV

 「レスリング全日本選抜選手権」(21日、代々木第二体育館)

 世界選手権(9月、米ラスベガス)代表選考会を兼ねて男女計7階級が行われ、女子53キロ級では五輪3連覇中の吉田沙保里(32)=ALSOK=が3年連続5度目(前身大会を含めると13度目)の優勝で代表入りを確実にした。

 若手の“吉田包囲網”をはねのけ、世界切符をもぎ取った。決勝は20歳の入江(九州共立大)と対戦。残り約30秒で2点差まで迫られ、なおもピンチを迎えたが、意地でもバックを取らせなかった。

 初戦は21歳の金子(早大)、準決勝では17歳の向田(JOCエリートアカデミー)の挑戦を受けたが、「若手の成長を感じるし、研究もされている。でも、これで勝たないと五輪はない」と退けた。

 サッカー女子のカナダW杯で連覇を目指す親友の澤穂希(INAC神戸)とは、LINEで連絡を取り合っている。「自分より年上の人も頑張っている」と刺激を受けるだけに、若手に負けるわけにはいかなかった。

 師匠の栄和人強化本部長は「10何年も国内では研究されて、やりづらい中でタックルを決めなければいけない。海外の方がやりやすい」と明かした。「五輪4連覇を目指すなら、食事の好き嫌いとか子供っぽいところを直さないと。いつもミルクティーばっかり飲んでる」と、くぎを刺すことも忘れなかった。

 01年から続く個人戦での連勝記録は195に伸び、世界選手権での200連勝にリーチを懸けた。13連覇を目指す同大会でメダルを獲得すれば、12月の全日本選手権に出場した時点で16年リオデジャネイロ五輪の代表も内定する。「金メダルでリオを決めます」と、大台突破を五輪4連覇への足がかりにする。

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