朝青龍似の青狼、11年目の新入幕に感慨
「大相撲名古屋場所」(7月12日初日)
新入幕の青狼(26)=錣山=が29日、名古屋市内で会見。05年名古屋場所で初土俵を踏み、11年目の苦労人は「ここまで来るのは長かった。うれしいです」と番付表を手に喜びをかみしめた。
父はモンゴル相撲の元関脇で80年モスクワ五輪に柔道選手として出場。顔もそっくりなモンゴルの大先輩、元横綱朝青龍に素質を見込まれながら、100キロ前後で体重が増えず、故障にも泣いた。
新弟子のころから深夜2時に目覚ましをかけ、起きて夜食の弁当を食べる生活を続けた。今は140キロ超まで増量。今年は3場所連続勝ち越し、ようやく十両を突破した。先場所後、1週間帰国した際は両親が「泣いて喜んでくれた」と最高の親孝行を果たした。
遅咲きながら、まだ26歳。「いつか結びの一番で取ってみたい。横綱の白鵬関、鶴竜関、日馬富士関と対戦したい」と目標。名古屋場所では「2桁勝って三賞」を掲げた。
今年の初場所で引退した豊真将(現立田川親方)以来、同部屋2人目の幕内。「次に自分が部屋を引っ張る」と責任感も十分。この日は同席予定だった錣山親方(元関脇寺尾)が体調不良で欠席したが、1人会見も堂々とこなした。
朝青龍似と言われてきたが、最近は逸ノ城にも似ているとの声も耳にした。「それは、ちょっと待ってくれよ。うれしくない」と、ショック。「自分は自分」と後輩に負けじ、存在感もアピールしていく。