シンクロ井村ジャパン闘争心でメダルへ
シンクロナイズドスイミングの世界選手権(24日開幕、ロシア・カザン)代表が19日、成田空港から出発した。07年大会以来となるメダル獲得へ、井村雅代ヘッドコーチ(HC)は「スピードも出てきてうまくなった。あとは選手たちがどれだけ勇気を持って臨めるか」と期待を込めた。
5月のジャパンオープン出場後は試合には出場せず、国内で合宿を重ねながら技を磨いた。ただ、鍛え上げたのは技術だけではない。国内最後の練習を終えた後、指揮官は選手たちに言葉を送った。「シンクロは美しさを競うけど、ケンカのつもりで戦え」。
昨年、10年ぶりに復帰した指揮官が選手たちに口酸っぱく言い続け、植え付けたのは世界と戦う上での闘争心だ。「(HC就任前の)おととしまでの彼女たちは真の意味での選手ではなかった。世界で勝つには、命を懸けて本気でかからないと」と力説する。
主将の乾(井村シンクロク)は、指揮官の言葉で闘争心に火がついた。「たくさん練習してきたので全部出したい。戦いの舞台に立てるのは幸せ。腹を決めて、守るのではなく攻めたい」。自身は「ケンカしたことがない」と苦笑いするが、自信に満ちた表情で日本を後にした。
来年のリオデジャネイロ五輪にもつながる大一番。井村イズム注入により、野心をむき出しにしたマーメイドたちの“ケンカ殺法”に注目だ。