バスケ女子が団体競技リオ1号!
「バスケットボール・アジア選手権決勝、日本85-50中国」(5日、武漢)
日本が中国を下し、連覇を達成。04年アテネ五輪以来3大会ぶりの五輪出場を決め、団体競技では日本の“リオ切符1号”となった。
痛快な快勝劇の立役者となったのは、渡嘉敷来夢(らむ、24)=シアトル・ストーム=だ。今年6月に日本人3人目の米プロリーグWNBAプレーヤーとなったエースは、決勝で19得点9リバウンド4ブロックと大暴れ。見事に大会MVPも獲得した。
米リーグ参戦のため、代表には大会直前の合流となった。しかし、まだ2カ月間ながら、最高峰リーグでの経験が193センチのエースをさらに成長させていた。「こんなにバスケが楽しいと思ったのは初めてかもしれない」。競技を始めてから、その圧倒的なサイズと能力を武器に「勝って当たり前」のエリート街道を歩んできた。しかし、米国では相手のガードの選手にすら吹き飛ばされることもある。「仲間から『なんでそんなにヒョロヒョロなんだ』って言われます。試合では自分よりも凄い選手とマッチアップしてボロボロにされる。でもそれが本当に楽しい」。
生き残るために、外めからのシュートや、ドライブを磨き、プレーの幅を広げた。当たり負けしないように、体重は、この2カ月で4キロ増加し85キロ。肌は少し荒れたが「プロテインの取り過ぎかな」と笑う。着実に出場機会も増やし、仲間からの信頼も勝ち取っていった。「体が強くなった。太ったように見えるかもしれないけど、逞しくなった。『あいつ太っただけじゃないな』と思ってもらえるプレーをしたい。ストームの仲間からも『誰も進化したタク(渡嘉敷の愛称)を知らない。アジアならみんな吹き飛ばせるんじゃない?』と言ってくれた」と話していたように、逞しさを増した体で、見事にアジアのライバルたちを吹き飛ばしていった。
日本にとって“団体競技1号”となるリオ切符を手にし、最近までまで国際バスケットボール連盟から資格停止処分を受けていた日本バスケ界にとって、大きな希望の光となった。「少し前までだったら五輪なんて全然考えられなかった。スポーツの最高の舞台。絶対に出て、活躍したい」と、渡嘉敷。頼もしきエースが、夢舞台でも進撃する。