山口茜が2年ぶりV王手 決勝は日本人対決
「バドミントン、ヨネックス・オープン・ジャパン」(12日、東京体育館)
18歳の高校生が84分間の死闘を制し、2年ぶりの優勝に王手だ。女子シングルス準決勝で、世界ランク10位で13年大会覇者の山口茜(18)=勝山高=が、同7位の王適嫻(中国)とのフルゲームを2-1で競り勝ち、決勝進出を決めた。13日の決勝は同9位の奧原希望(20)=日本ユニシス=との日本人対決に決まった。
山口が末恐ろしい勝負根性を見せつけた。第1ゲームを21-12で先取し、第2ゲームは15-21と落とし五分。迎えた最終ゲームは最大5点リードを奪われる劣勢に陥ったが、「開き直って、大きい展開で(ラリーを)我慢できた」と粘ってジュースに突入し、一進一退の攻防を展開した。
計3度(18-20、21-22、23-24)訪れた相手のマッチポイントから驚異の粘りで追いつき、自らの手で勝利の女神を引き寄せた。最後は思い切り振り抜いたスマッシュで26-24とし、84分の試合にピリオドを打った。敗れた王は「自分がうまく打てなかった」と肩を落とした。
1回戦で世界選手権銅メダルの成池鉉(韓国)を下し、準々決勝でロンドン五輪金メダリストの李雪芮(り・せつぜい)=中国=から金星を奪ったのに続き、次々と格上を撃破している。史上最年少でスーパーシリーズ制覇を成し遂げてから2年。「2年前は何もわからないまま優勝した。昨年1年間国際大会を回ってきて、いろいろわかった上で戦っている」と自信を口にした。
相手から警戒される中での価値ある2度目の優勝まで、いよいよあと1勝。相手の奧原について「身長は自分と同じくらいだけど、粘り強さがすごい」と警戒した。「勝っても負けても最後なので楽しんでプレーしたい」。18歳は余計な気負いはなく、いつも通りの大胆さで頂点に返り咲く。