「テニス・楽天ジャパン・オープン・準々決勝」（９日、東京有明テニスの森公園）

　世界ランク６位、第２シードの錦織圭（２５）＝日清食品＝は同１４位、第６シードのマリン・チリッチ（２７）＝クロアチア＝と対戦した。３－６、７－５、６－３の逆転勝利で、優勝した昨年に続く準決勝進出を決めた。第３セットで右肩付近の治療を受けるアクシデントもあったが、２時間１１分の激闘を制した。

　最終セットの末に勝利した試合を錦織圭は「出だしから無心でやっていたので、そんなに考えることもなく集中してプレーができていた。いいプレーもできていましたし、最後は集中力ですね。体力もなくなりつつある中で、大事なポイントでギアを上げられたのが勝てた要因だと思います」と振り返った。

　２回戦のクエリーに続き、ビッグサーバーと呼ばれるサーブが強力な選手との試合となった。第１セットは第３ゲームに３度、ブレークポイントのチャンスを迎えたが、仕留めきれなかった。逆に錦織がサーブ第６ゲームで錦織はネットプレーでポイントを奪えず。ブレークを許し、流れを失った。

　第２セットはお互いのサービスゲームをキープしあう展開になった。その中で錦織は第２ゲームでブレークチャンスを迎えたが、ここでもブレークには至らず、２００キロ台後半を誇るチリッチの強力サーブに手を焼きながらも可能な限り食らいついて勝機を待った。そして、６－５で迎えた第１２ゲーム。相手のミスに乗じて４０－３０でセットカウントを迎えると、チリッチがストロークをネットにかけて錦織が第２セットを奪った。

　第３セットには第３ゲーム後に右肩付近の治療を受けるアクシデントもあった。しかし、プレーを再開させると直後の第４ゲームでブレークに成功。以後のサービスゲームをキープして、逆転勝利を収めた。相手に２３本（錦織は４本）ものサービスエースを決められた中、粘り強く勝利をたぐり寄せた。

　準決勝へ向け、錦織圭は「ここからより高いパフォーマンスが求められるので、明日からより集中して決勝へ行けるように頑張るので、応援をよろしくお願いします」と観衆に求め、拍手を浴びた。準決勝はブノア・ペア（フランス）とニック・キリオス（オーストラリア）の勝者と対戦する。