平井委員長も絶賛!北島100平で1位「久々なのでうれしい」
「競泳・東京スイミングセンター招待記録会」(20日、東京スイミングセンター)
アテネ&北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠の北島康介(33)=日本コカ・コーラ=が、100メートル平泳ぎ決勝で1分1秒95をマークし、小関や立石を抑えて1位となった。「うれしい。優勝ってものも久々なので。勝ち負けもあるけど、力をきちんと出し切れたと思う」と充実した表情で振り返った。
10月のW杯東京大会は体調不良もあって出場3種目すべてで予選落ち。「マイナス100点」とどん底の状態だったが、16年リオデジャネイロ五輪の大事なシーズンのスタートへ「泳ぎもだんだん良くなってきて、少し自信になった」とボルテージを上昇させてきた。
近年は不調が続いていたが“原点”で復活のきっかけをつかんだ。東京スイミングセンター(SC)は5歳で水泳を始めた場所。「ここで育って、ここで強くなっていった。多分僕が一番この大会に出てると思う。優勝回数は萩野に抜かれるけど」。慣れ親しんだ場所が自然と気持ちを高ぶらせた。
少年時代から指導している平井伯昌競泳委員長(52)も「よくやりました」と絶賛。「(1分)1秒台が出せればと思っていたけど、この(あまりよくない)競技環境でさすがの調整力。本人も子供のように喜んでました」と目尻を下げた。
5度目の五輪出場に向けて、来年4月の選考会が勝負の舞台となる。今冬は萩野らと高地合宿を敢行し、肉体をいじめ抜く予定だ。「やっと(リオ五輪に向けて)しっかり準備する覚悟ができてきた」と、気持ちを奮い立たせたベテランが、再び“強い北島”を取り戻す。