北の湖理事長 協会葬は12月22日
20日に直腸がんによる多臓器不全で福岡市内の病院で急死した日本相撲協会の北の湖理事長(本名・小畑敏満、享年62)の協会葬が12月22日に東京・両国国技館で行われることが決まった。21日に相撲協会が発表した。また、理事長代行は事業部長などを務める八角親方(元横綱北勝海)が就き、九州場所後の横綱審議委員会(23日)など当面の日程は変更しない。師匠不在となった北の湖部屋については、九州場所中は現行の北の湖部屋のままで部屋所属の力士は相撲を取ることになった。
現役時代は北の湖部屋の所属だった式秀親方(元幕内北桜)は、14日目の勝負審判を終えたあと取材に応じ、「とにかく急だったので信じられない。慌ててタクシーで病院に行ったが、本当に眠っているようでした」と話した。現在は式秀部屋を継承して自身も師匠として奮闘している。「私がここまでこれたのも師匠のおかげ。相撲人生を教えてもらった。偉大な人で一言一句が思い出されます」と偲んだ。
北の湖理事長の付け人を長く務めていたロシア出身の三段目・大露羅(おおろら)は、手向けの白星を送ろうと必死の土俵を見せたが惜しくも突き落としで敗戦。花道を引き揚げる時には涙を見せた。「14年間、師匠の付け人をやらせてもらったので悲しい。でも、人間は頑張るのが一番だと教えてもらった」としんみり。
闘病中は痛みやつらさから夜中に叫ぶこともあったそうだが、どんなに体調が悪くても本場所中は大関以上の取組になると、役員室で報道陣の囲み取材を欠かすことはなかった。「相撲が大好きだったし、みなさん(報道陣)としゃべるのも好きだった」と在りし日の姿を思い浮かべた。「(亡くなる前の)この3日間は体調も良くなっていました。こんなに急に崩れるとは…」とがっくりと肩を落とした。