バドミントン桃田 逆転勝ちで初V王手
「バドミントン・全日本総合選手権」(5日、代々木第二体育館)
男子シングルス準決勝が行われ、世界ランク5位で昨年準優勝の桃田賢斗(21)=NTT東日本=は同い年の西本拳太(中大)に2-1で逆転勝ちし、決勝進出を決めた。悲願の初優勝を懸け、決勝は昨年に続き、佐々木翔(トナミ運輸)と対戦する。
世界トップクラスで戦う男の懐の深さを見せつけた。第1ゲームを落としたが、落ち着いて戦術を修正。「全部速く攻めるんじゃなく、ゆっくりラリーに入って、勝負どころでスピードを上げるようにした」。第2ゲーム以降は緩急で相手を手玉に取り、流れを引き寄せた。
「1ゲームを取られても、冷静に相手を見て、コートを見て、戦術を考える。西本選手は海外ではあまり戦っていないけど、僕は3年くらい海外をまわってきて、戦い方や点の取り方の引き出しがたくさんある」
同い年で実力を認める相手だからこそ、桃田はあえて辛口のエールを送る。「(国際大会の)スーパーシリーズに出るか出ないかという選手と、世界ランキング5位の違い。ちょっとなんですが、この差はぶあついぞと」。今夏の世界選手権でも、日本男子初の銅メダルを獲得したプライドをぶつけた。
悲願の日本一まであと一つ。「この大会で優勝してこそ日本のエースだと思う。緊張しすぎずリラックスしすぎず、いいバランスで臨みたい」。昨年敗れた佐々木に雪辱を果たして、名実ともに日本のエースを襲名する。