女子平泳ぎ金藤、残り1枠リオ切符狙う
競泳3カ国対抗(パース)の女子200メートル平泳ぎで、日本新記録となる2分20秒04を樹立した金藤理絵(27)=Jaked=が8日、オーストラリアから成田空港着の航空機で帰国した。リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねた日本選手権(4月、辰巳)に向けて、「2分19秒台を出して優勝したい」と、日本勢初の大台突破と残り1枠の五輪切符獲得を誓った。
遅れてきた平泳ぎのスペシャリストが、一躍リオ五輪の金メダル候補に名乗りを上げた。昨夏の世界選手権における渡部香生子(JSS立石)の優勝タイムを超え、高速水着時代の09年に自身がマークした日本記録(2分20秒72)も0秒68更新。「本当にこれが自分にタイムなのかな。どうやって喜べばいいのかわからなかった」。自己ベストとしても7年ぶりで、「久々すぎて自分でもよくわからない」と忘れていた喜びを思い出した。
08年北京五輪に出場するも、12年ロンドン五輪は落選。6位に終わった昨夏の世界選手権も後悔だけが残った。「これがラストレースならみっともない。もし最後に周りの人の記憶に残るのがあれなら嫌だなと、自分の納得できるレースじゃないと嫌だと思った」。リオを集大成の場と定め、年末年始のケアンズ合宿では1日20キロ近くを泳ぎ込んだ。
納得のラストレース、そして悲願の五輪メダル獲得へ、まずはリオ切符獲得が至上命令。「今は1個1個自分の弱いところを塗りつぶしたい。4月にプレッシャーがかかる中で自分の泳ぎができるかどうか」。進化を続ける27歳のベテランが、つかみかけた自信を確信に変える。