高橋尚子さん 安易な1発選考論に警鐘

 「名古屋ウィメンズマラソン」(13日、ナゴヤドーム発着)

 これで男女マラソンの全選考レースが終了した。“福士騒動”など様々な物議を醸したリオ五輪選考。シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんは、その中で起こった一部の選手批判にクギを刺した。

 女子マラソン3枠の代表は日本陸連の選考基準に則り、昨夏の世界選手権で7位に入賞した伊藤舞(31)=大塚製薬=が内定。1月の大阪国際で派遣設定記録(2時間22分30秒)を突破し、圧勝した福士加代子(33)=ワコール=は当確で、残る1枠も名古屋ウィメンズで日本人トップの田中智美(28)=第一生命=で決まると見られる。

 ただ、大阪国際後、福士陣営が代表「確定」を求めて、名古屋に強行エントリーした際、世界選手権で2時間29分台だった伊藤の内定について、インターネット上などで批判の声が上がっていた。しかし、猛暑の北京で行われた世界選手権と、冬マラソンの選考会での比較自体に無理がある。内定も13年に方針が示され、1年前に発表された選考基準に則ったもので、高橋さんは「(世界選手権入賞で内定は)狙おうと思えば、みんなが狙えた。後付けじゃない。伊藤さんはルールに乗っ取って、すべてクリアな中で選ばれている。決まった選手の足を引っ張ることはしてほしくない」と、訴えた。

 また、複数の選考会を辞め、1発選考にするべきという声も上がっているが、高橋さんは「元選手としての意見」とした上で「1本がいいという意見もあるけど、(複数選考会と)どっちがいいというのは簡単で選べることではないと思う」と、安易な一発選考論に警鐘を鳴らした。「私は3つの選考レースで成長させてもらった。各選考会10人の招待選手に選ばれれば、選手として自信もつく。また、マラソンは実業団が頑張って選手を育ててくれている競技。私は実業団に入った時、すごく弱い選手だったし、野口(みずき)さんも、有森さんもそうだと思う。1回しか露出がなくなり、実業団が半分になり、選手も少なくなったら、人気面でも成績面でも逆方向になってしまう可能性がある」と、指摘した。

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