日本相撲協会は３０日、大相撲夏場所（５月８日初日、両国国技館）の番付編成会議を開き、宇良（２３）＝木瀬、佐藤（１９）＝貴乃花＝の新十両昇進を決めた。

　宇良は大阪・寝屋川市出身。奇手「居反り」で注目され、関学大からは初めて角界入りした。昨年大阪で初土俵を踏み、春場所は幕下西２枚目で地元に凱旋。６勝１敗の好成績を残し、史上４位となる所要７場所（幕下付け出しを除く）でのスピード出世を果たした。

　この日、大阪・吹田市内で師匠の木瀬親方（元幕内肥後ノ海）とともに会見。「こんなに早くなれるとは思わなかった。発表があって十両に昇進したんだな、と実感します」と笑顔を見せた。

　関取になった１番の喜びは「給料が出ること。それが１番」と笑顔。「今までよりサプリメントとかいいものを買いたい」と、使い道は体に投資する。

　しこ名は変更せず、宇良のまま。木瀬親方は「宇良でいいと思っている。いろいろ考えていたけど、本人が今のまま、と言うので」とキッパリ。本人は「入門時から注目していただき、宇良で応援してくれるのが多かったので、変えて『こいつ誰やねん』となるよりも、宇良のままで応援していただければ」と、話した。

　昨春、関学大でプロ転向会見した時は「２年で関取」と目標を掲げたが、半分での達成。「地元大阪で決められたのは喜びが大きい。『２年で関取』と大きなことを言って後悔して悩んだこともあったけど、木瀬部屋の環境が整っていたのもあり、思ったようになれた」とかみしめた。

　４歳から相撲を始めたものの、高校入学時に身長は１５２センチしかなく、「負け続けた」相撲人生だった。大学３年時にようやく体も成長し、今は１７２センチ、１２０キロにまで大きくなった。

　それでも、プロの土俵では小兵。「十両でも挑戦者。常に思い切った相撲を取りたい。研究されるのは当たり前。研究を上回る技を磨いていきたい」と、力を込めた。