フィギュア世界選手権 羽生無念の2位
「フィギュアスケート世界選手権 男子フリー」(1日・米ボストン)
14年ソチ五輪金メダリストで、SP首位の羽生結弦(21)=ANA=がフリーでは2位の184・61点、総得点295・17点で2年連続の2位に終わった。昨年大会覇者で、SP2位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)がフリーで世界歴代2位の216・41点をマーク。総得点でも羽生の世界記録(330・43点)に次ぐ世界歴代2位の314・93点で逆転連覇を達成した。
演技後、羽生が悔しそうに顔をゆがめた。手を膝についたまま、なかなか顔を上げられない。冒頭の4回転サルコーでお手つきすると、得点源の後半の4回転では転倒。トリプルアクセルからのコンビネーションジャンプも乱れた。得点は今季マークした世界記録(フリー219・48点、総得点330・43点)には遠く及ばない。それでもキス&クライで得点を見届けると、納得したようにうなずいた。
精神的な揺れ動きが大きな大会だった。30日のSPを前にした公式練習では曲掛けの練習中にジャンプに向かう軌道上にデニス・テン(カザフスタン)がスピンを行っており、トリプルアクセルに転倒。マナー違反に「それはねえだろ、お前!」と声を荒らげるトラブルもあった。SPではほぼ完ぺきな演技で「よっしゃあ~!見たかぁ~!」と、雄たけびを上げた。ただ、中1日で迎えたフリーでは一転してジャンプの精度を欠いた。
同じブライアン・オーサーコーチを師事するフェルナンデスの圧倒的な演技と得点を見届けた羽生は、上位選手が待つ場所が映像で映されると、“参った”とばかりにひれ伏すようなポーズで盟友をたたえた。