引退の野口みずき、広瀬監督へ感謝の涙
04年アテネ五輪女子マラソン金メダリストで日本記録保持者の野口みずき(37)=シスメックス=が15日、神戸市内で会見し、現役引退を表明した。涙を浮かべ、20年来、ともに歩んできたシスメックスの広瀬永和監督への思いを語った。
冒頭では14日に起きた熊本地震に関し「たくさんの人々が大変な目に遭っている。心よりお見舞い申し上げます」と話し頭を下げ、会見はスタートした。
引退を決めた時期は「16年に入ってトレーニングができず、引退は頭をよぎった。名古屋ウィメンズが最後か、リオで最後かで、そういう感じだった」と、今年限りと腹をくくっていた。広瀬永和監督には1年前に「2016年が引退をかけた年になる。よろしくお願いします」と伝えていた。
自分自身へかける言葉を問われると「自分に納得するまで走れて良かったね。お疲れさまと言いたい」と答えた。
37歳まで走り続けられた理由は「たくさん手紙を送ってくれた」ファンの存在、そして広瀬監督の言葉を挙げた。「何度も『辞めます』と言って、何度も止めてくれた。あきらめず支えてくれた広瀬監督に感謝です。例え話と思うけど、もし会社をクビと言われても最後まで私を見届けたいと。その言葉が支えになった。その言葉でボロボロになるまで走れた。よくここまで私の面倒を見てくれた。20年。実家にいた時より長い」と、涙をあふれさせた。
今後に関しては「陸上に自分ができる範囲でたずさわれたら。明確には考えていないけど、自分を成長させてくれたのが陸上。陸上界に恩返しができたらと考えている」と話すにとどめた。チームに残るかどうかも「考え中。時間が欲しい」とした。