伊藤美誠を卓球王国・中国が警戒
リオ五輪の卓球女子日本代表で世界ランク10位の伊藤美誠(15)=大阪・昇陽高1年=が1日、ポーランドオープン(4月20~24日)、アジア杯(ドバイ、4月28~30日)遠征から関西国際空港着の航空機で帰国した。
遠征続きで「疲れた~。おなかすいた」と15歳はヘトヘト。疲労の中、戦った2大会では「ポーランドはすごい攻めた。アジア杯では守りでも点を取れた。戦術を変えるのは今までできなかった。試しというか、それができて良かった」と収穫を強調した。
アジア杯準々決勝では同1位の劉詩ブン(中国)と初対戦し敗れたが、1ゲームを奪った。4月のアジア予選で世界女王の丁寧(中国)を破ったことにより、今や世界最強の中国が最も警戒する選手の1人になった。
「(劉の)やる気が全然違った」と伊藤。試合会場には中国のコーチとともに、ロンドン五輪金メダリストの李暁霞がチェックに訪れていた、という。
研究をされても今は、上回る成長力がある。「前より攻める卓球ができている。攻められても攻めで返せる。中国選手相手にブロックしているだけじゃ振り抜かれる。そこを攻め返せるのがいい。カウンターが良くなった。相手も『えっ』ていう顔をしている」とニヤリ。五輪本番でも対戦の可能性のある劉には「次は2ゲーム取りたい。でも五輪では私が勝ちます」と強気に言い切った。
ポーランドオープンでは石川佳純(23)=全農=とダブルスを組み4強入り。ほぼぶっつけ本番だったが「めっちゃできるよねー」と互いにビックリするほど息がピタリだった。「ラリーは負けないし、石川さんも私も攻めまくる」と手応えを十分感じた。
福原愛(27)=ANA=とのダブルスも5月の合宿中に特訓し、五輪までに精度を高めていく。次大会は5月末のクロアチア、スロベニアオープン。4月に高校1年生になり、まだ入学式しか出られていない。普通の女子高生に戻れるのは五輪が終わってからだ。15歳が卓球悲願の団体金メダルへの切り札になる。