ガトリン、右足首痛めながらも優勝

4位に敗れた桐生祥秀(中)と5位に敗れたサニブラウン・アブデル・ハキーム(左は優勝したガトリン)=等々力(撮影・棚橋慶太)
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 「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ川崎」(8日、等々力陸上競技場)

 男子100メートルではアテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリン(34)=米国=が10秒02で優勝した。日本勢トップは10秒21の山県亮太(セイコーホールディングス)の2位。桐生祥秀(東洋大)は4位、サニブラウン・ハキーム(東京・城西高)は5位だった。

 優勝したガトリンは、右足首を痛めていたことを明かした上で「今年は五輪選考レースもあるため、長いシーズンにうまく入っていくことを考えた。右足首を痛めていたがいいパフォーマンスができた」と満足げに語った。この日は向かい風04メートルの条件だったが「コーチと相談していいスタートを心がけて、その通りにできた。日本人選手はスタートがいいからね」とプラン通りのレースを展開した。

 昨夏の世界選手権(北京)では銀メダル。しかし“人類最速”ウサイン・ボルト(ジャマイカ)を100分の1秒差で脅かした。この日も円熟味を増した走りで健在ぶりをアピールした。

 スタート前には名前がコールされると顔の前で両手を開くポーズを見せる。日本的に表現するなら「のれんをくぐる」ようなしぐさだが、その訳をレース後の記者会見で説明した。

 「去年からやっている。レースは真剣勝負だが、普段の自分はのんびりしているタイプ。ドアを開けて真剣な自分に変わるためだよ」。温厚な口ぶりの好人物が、闘争本能にスイッチを入れるきっかけのようだ。

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