木村沙織がリオに導く魂の31得点
「バレーボール女子・リオデジャネイロ五輪世界最終予選・第6日、日本2-3イタリア」(21日、東京体育館)
世界ランク5位の日本は同8位のイタリアに2-3のフルセットで敗れたものの、勝ち点を12に伸ばし、4位以内が確定。4大会連続の五輪出場が決まった。
かつて“ミラクルさおりん”と呼ばれた木村沙織(29)=東レ=が、正念場の一戦で復活した。17日の韓国戦で負傷した右手小指にはまだテーピングがまかれている状態だが、第1セットから持ち前の多彩なスパイクワークで得点を量産。ここ一番では木村の右腕がうなった。計31得点を奪う活躍で、五輪切符獲得に貢献した。真鍋監督も「久しぶりに木村のスパイクがすごかった。背中から炎が上がっているのが見えた」と、うなった。チームメートも長岡が「表情が迷ってなかった。それが全員に伝わった」と話せば、木村をよく知る荒木も「ここ1番で頼もしい、沙織らしいプレーを最初から最後まで出し切ってくれた」と、舌を巻いた。
ロンドン五輪後の13年に真鍋監督の要請で主将に就任した。3年間、いつの間にか、チームのことを優先し、プレーを押し殺していた自分がいた。大会前には「今までは結構、若い選手にどうぞどうぞじゃないけど、どんどんやっていいよみたいな感じの方が大きくなっていた。日本がしっかり結果を残せるように、自分も遠慮せず、自分のプレーを見直して頑張ろうという感じです」と、話していた。有言実行のハイパフォーマンスだった。