三段跳び山下 ミスで五輪内定得られず
「陸上・日本選手権」(26日、パロマ瑞穂スタジアム)
男子三段跳びでリオ五輪参加標準記録(16メートル85)を突破している山下航平(21)=筑波大=が、3度のファウルで記録なしに終わった。
山下の父は1988年ソウル、92年バルセロナ両五輪代表の訓史さん(53)で、同種目の日本記録保持者。優勝すれば親子での五輪出場が内定するはずだったが、予想外のミスに泣いた。山下は「ルールは知っていた。これまでこんなミスはしたことがなかった」と悔やんだ。
1、2回目はファウル。3回目は16メートル超の跳躍となり観客も沸き立った、しかし、いったん上がった白旗は審判の協議の末に赤旗に。砂場から出る際に、記録地点より前方へ出なければならないところを後方へ出る違反を犯したと判断された。
山下は「ベスト8に残らなきゃ(4回目以降に行けない)と思っていた。(3回目の試技で)16メートルは行き(4回目へ)残れたと思って気が抜けた。早く記録を見たいという気持ちもあった」と肩を落とした。
スタンドで観戦した訓史さんは数十分の審議の間、最下段まで降りて身を乗り出し、必死に説明に耳を傾けた。審判の判断には「ルールをふまえて(明確な位置で)出るのがジャンパーのたしなみ。16メートルを完全に超えて安堵(あんど)したのでしょう」と語った。
山下は「父から(1、2本目のミスで)追い込まれていたからだと言われた。気を抜いたのも、普段の生活から気を配れているのかということだと」と唇をかんだ。
強化委員会が推薦する参加標準記録を突破した選手としてリオ五輪代表に入る可能性はまだ残っている。しかし、本人は4年後の東京五輪へ「切り替えて考えていきたい」と語っていた。