「ＣＡＴレディース・最終日」（２３日、大箱根ＣＣ＝パー７３）

　通算１０アンダー２位で出た服部真夕（２７）＝ＬＩＸＩＬ＝が５バーディー、１ボギーの６９で回り、通算１４アンダーで逆転の今季初優勝。２０１２年アース・モンダミンカップ以来のツアー５勝目を挙げた。

　最終１８番で３メートルのウィニングパットを沈めると、服部は万感の思いを込めて拳を固く握った。「優勝できるなんて夢みたいです。涙は出なかった。やり遂げた感の方が強かったからだと思う」。穏やかな表情で１２年以来となる美酒の味をかみしめた。

　先週のＮＥＣ軽井沢７２は首位で最終日を迎えながら逆転されて４位。この日は首位に１打差２位からスタートし、１、２番バーディーでトップに立つと、最後まで首位を譲らなかった。「先週よりは落ち着いてできた。トップに立ったのは分かっていたけど、追う立場なんだと自分に言い聞かせた」。先週の悔しい経験を糧とした。

　今季は武器とする正確なショットが曲がり出し、開幕２戦目から９試合連続予選落ち。一時はスランプ脱出の糸口さえつかめずパニック状態になったが、５月のほけんの窓口レディースでようやく原因を突き止めた。「アドレスで体が右を向いていた。修正したら真っすぐにいくようになった」と復調のきっかけをつかんだ。

　同時期に師匠の岡本綾子からの独立も決意した。「岡本さんに頼りすぎて、自分で考えることをしなかったから」。１３番では苦手とするグリーン周りのアプローチを２メートルに寄せた。前日同じような状況から５８度のウエッジで２度打ちのミス。この日はＰＷに持ち替えて成功させた。「自分で考えることは難しい。あの場面は自分で考えました」と満足そうに振り返った。

　約３年ぶりの優勝で大きな自信をつかんだ。もともとアプローチが苦手だが「アプローチがダメでも優勝できる。ショットでカバーすればいいんだと思えるようになった」。次なる目標は年間複数優勝。女子を代表するショットメーカーの逆襲が始まる。