73歳青木功が8度目エージシュート
「男子シニアゴルフ・富士フイルム選手権・最終日」(7日、ザ・カントリークラブ・ジャパン=パー72)
秋の叙勲で旭日小綬章に決まった青木功(73)=フリー=が3バーディー、3ボギーのパープレー72で回り、1ラウンドで年齢以下のスコアを記録する「エージシュート」を達成(自身8度目)した。しかし、通算では10オーバーの56位に終わり、「アンダーパーで回りたかったので、本人はそれほどでも(喜んで)ないよ」と、快挙よりも現役選手としての悔しさを表した。
この日の青木は中盤の12番まで3バーディーを奪うなど60台ペースのプレーを進めたが、その後の3ホールでボギーをたたいた。特に15番パー4ではグリーン奥からの第3打アプローチをショートさせてのボギー。この時は手にしたミドルアイアンのクラブを地面にたたきつける仕草を見せるほど悔しさをあらわにした。ホールアウト後、「やっぱりアンダーパーで回ろうと思ったのが良くなかったのかな」と自らを責めた。
2日目までに優勝争いから脱落していた青木だが、この日は日本プロゴルフ協会(PGA=倉本昌弘会長)によるシニアツアーならではの計らいで、最終組に近い「レジェンド枠」としてプレー。青木自身も意気に感じてプレー。ギャラリーも大喜びで、本戦のV争いに劣らぬ声援を送った。
青木はホールアウト後のインタビューで「アドレナリンというのか、距離が合わなかった。やらなくていいボギーも打っているから悔しさもある」と1プレーヤーとしての反省の弁を連ねながら、「若い選手たちの中でやれているのは幸せだと思う。幸せなばっかりではだめで、自分の目標にむかってやらなければと思う」と感想。今後の目標については「パー71でも72でもいいんだけどアンダーで回ることが目標」と示し、最後は「(ギャラリーが多くて)気持ち良かったね。だから、ボギーを打ったらどんどん減っていっちゃうんじゃないかと心配した(笑)。見てもらえるというのはこの年になってもプロゴルファーだなと感じる瞬間」と目元を緩ませた。
また、今大会では青木の愛弟子の渡辺司(58)=セガサミーホールディングス=が優勝した。その最終ホールを見守った師匠は、「厳しいシチュエーションで自分のゴルフができたのは大きな自信になったと思う」と賛辞を送っていた。