女子ゴルフ、熊本勢そろって奮闘 笠選手「普段と違う思い」
地震で大きな被害を受けた熊本出身の女子ゴルファーが、22日に静岡県伊東市の川奈ホテルGC富士で開幕したフジサンケイ・レディースでそろって奮闘した。有数の“ゴルフどころ”の選手たちが、故郷への思いを込めたプレーで会場を沸かせた。
66の好スコアで首位に立った笠りつ子選手(28)は熊本市内で被災した。ゴルフ練習場を経営する実家の家族は、駐車場に張ったテントや車の中で過ごしており「普段とは違う思いで臨んでいる」と言う。スタート前にファンから激励され「ちょっとウルッときた」そうだが、5番でイーグルを奪うなど「集中できた」と最高の滑り出しを果たした。
笠選手の1組前で回った上田桃子選手(29)は「後ろの組の声援が聞こえて『おっ、りつ子も頑張ってるな』」と刺激を受けながら、2打差の2位につけた。故郷の家族らに思いをはせ「我慢していれば、必ずいいこともある。それが伝わるといいなと思いながらプレーした」と話した。
無名の野口彩未選手(20)は、熊本市で共に暮らす母への心配を断ち切って出場した。「せめていいプレーを」と自己最高の2位発進を果たした。19位につけた一ノ瀬優希選手(27)は「熊本に元気を届けたい」と、残り2日間の健闘を誓った。