日本女子プロ将棋協会が泥沼ストライキ
日本女子プロ将棋協会(LPSA)は28日、所属の石橋幸緒女流四段(32)が30日に予定されていた第6期マイナビ女子オープン準決勝・里見香奈女流四冠戦の対局を断念すると発表した。LPSAは07年に日本将棋連盟から“お家騒動”の果てに独立。以降も対立が表面化していた。
LPSAは29日、都内で石橋女流四段や弁護士らが出席し、経緯説明の会見を開くが、展開次第では法的措置も視野に入れており、泥沼の争いは避けられない情勢だ。
「マイナビ女子オープン」は、LPSAが日本将棋連盟、株式会社マイナビと三者で主催する大会。LPSAは28日、マスコミ各社にファクスを送り、断念を発表するとともに、「共同主催二社による重大な契約違反と、決して許されることのない自治権の侵害があった」と主張。本紙の取材に対し、「日本将棋連盟からずっと継続して、こちらが不利益を被る提案を受けてきた。協会として、このような対応を取らざるを得なかった」と回答した。
また、「すべての棋戦で同様の扱いを受けている。このままでは、全棋戦からLPSAの棋士が撤退することにもなり得る」と、強硬な姿勢を示した。
LPSAは2007年、17人の女流棋士が日本将棋連盟から独立する形で設立。連盟とは友好関係を維持することで合意したものの、設立前には連盟から主催棋戦の参加を認めない可能性を示唆されるなど、“お家騒動”の果ての独立だった。
10年には、LPSA主催の棋戦「第4回日レス杯」の出場女流棋士を巡って、日本将棋連盟の米長邦雄会長(当時)がLPSAを非難する声明を発表するなど、両者の対立が続いていた。