宍戸錠「ほっぺたも燃えた」
今月4日に東京・世田谷区上祖師谷の自宅が火事で全焼した俳優・宍戸錠が8日、東京・調布の日活調布撮影所で会見した。警察から「出火原因は不明」と説明された宍戸は「警察がそう言うならそれでいいよ」とやむなしの表情。日活時代からの友人である女優・吉永小百合から激励の手紙とともに見舞金が届いたことを明かし、気遣いに感謝した。また、01年に除去手術し、大切に保管していた「ほっぺた」が焼失してしまったことを明かした。
5日の実況見分に立ち会った際には、「誰かが火をつけたんだ。オレがつかまえてやる!」などと放火を疑い、顔を真っ赤にして激怒していた宍戸だが、この日の会見では「結局、原因不明ということだった。自分としては不審に思うところもあるが、警察の人がしっかり調べてくれたので、納得しています」と落ち着いた様子で語った。
出火した4日夜は、日活の関係者のパーティに出席しており、吉永や渡哲也も一緒だった。宍戸は吉永から「気を落とさないでください。錠さんなら大丈夫」という手紙が届き、「けっこうね…紙幣も入ってました。(手紙は)一生抱いてるよ」と、見舞金が同封されていたことも明かした。また多くの俳優仲間から見舞金を手渡されたそうで、「みんなキャッシュでくれるんですよ」と豪快に語り、笑わせた。
衣装や亡き妻、家族の思い出…すべてが燃えてなくなってしまった。2001年に除去手術をした“ほっぺた”も燃えた。宍戸は1956年からオルガノーゲンという薬物でほおを膨らませていた。ほおの膨らみは悪役を中心に活躍していた宍戸のトレードマーク。01年3月に加齢もあり除去手術を受けたが、「牛乳びんの中に入れておいた」と、大切に保管していたという。つい最近も「ほっぺた」を見て「まだ腐ってないな」と確認したばかりだった。
「ほっぺたも…あれも焼けてるな」。宍戸は寂しそうな表情を浮かべていた。
現在はホテル住まいで、今後は家を建て直すつもりはないという。